保健室登校と登校拒否と不登校と高校中退をしたおはなし⑥〜アイドル(偶像)〜

保健室登校と登校拒否と不登校と高校中退をしたおはなし①プロローグ

保健室登校と登校拒否と不登校と高校中退をしたおはなし②いじめという洗礼

保健室登校と登校拒否と不登校と高校中退をしたおはなし③出る杭は打たれた

保健室登校と登校拒否と不登校と高校中退をしたおはなし④ペルソナ(仮面)〜あなたは誰?〜

保健室登校と登校拒否と不登校と高校中退をしたおはなし⑤ 祝・高校入学

  

の続きです
 
 

「メガネの優等生キャラ」とおさらばしたわたしは、
ビジュアル変更も功を奏しまずまずのスタートを切りました

 

高校に入学してすぐのこと

まったく興味のないアメフト部の先輩が
わたしのクラスに来てわたしを呼び出しスカウトされたり

男子生徒からは告白されたり・・・

 

周囲がなんだかにわかに色めきだちます

 

わたしはというと
「コンタクトの威力はすごいものがあるなぁ〜」

不細工でもコンタクトにするだけで可愛く見えちゃうんだなと、
と文明の利器の素晴らしさに感動しきり(笑)

 

比較的早い段階で波長の合うクラスメイトにも恵まれ、
最初のうちは楽しい高校生活が送れていました

 

でも徐々にその生活にも苦痛の色がチラホラと・・・

 

 

まず最初に直面したのは通学の困難さ

 

バス+電車乗り換え3路線で片道1時間半強

人混みで極度に消耗するHSP体質とは
当時のわたしは知る由もなかったので、
学校に到着するだけですでに疲れ切っていて・・・

自分はなんて虚弱体質なんだろうと思っていました

 

おまけに乗り換えする路線のうちひとつは、
痴漢が多発することで有名な電車

わたしもターゲットにされ、
毎日のように痴漢にあうので

吐き気がするほど男が嫌いになりました!
(マジで)

 

ギュウギュウの満員電車の中でなんとか向きを変えても、
痴漢は四方八方にいるので・・・

これにはホント泣きましたね〜

 

ほどなくして学校生活においても
友人から寄せられる言葉に何となくひっかかりを覚え始めます

 

「亜弥ちゃんていつもニコニコしていて天使だよね!」
「ホント純粋で優しいよね〜」

 

最初は嬉しかった友人の褒め言葉が、
だんだんわたしを縛る窮屈なもののように重くのしかかる

 

「わたしはいつもニコニコしていなければいけない」
「わたしはいつも天使のようでいなければならない」
「わたしはいつも純粋で優しくあらねばならない」

 

「誰からも嫌われたくない!」
の想いが強すぎるいい子ちゃんだったわたしは

みんなの期待に応えるべくさながら「清純派アイドル」のごとくに必死で演じ続け、
そして幸か不幸かわたしの演技は高い完成度を見せた

 

 

わたしが偶像化され、
実像と乖離していく心許なさ

 

何かがおかしい・・・
こんなはずではなかったのに・・・

わたしは首尾よく上々にやれていたはずだったのに。

 

ふと「この苦しさには覚えがある」と感じた

 

あぁ、そうだ

これはあれほど辛くて抜け出したかった中学の頃と同じだ

 

あの頃のわたしは

「ジキルとハイド」のごとく
学校では「優等生のいい子」で家では「暴君」だった

 

その「優等生」の仮面を
「清純派アイドル」の仮面に付け替えただけで、

わたし自身は何ひとつ変わっていなかった

 

でも・・・
「本当の自分を見せたら嫌われる」

 

わたしはその脅迫観念を後生大事に握りしめていたので、
偶像がひとり歩きしていくのをどうすることもできずに
ただひとり苦しむことしかできなかったのです

 

そして高校一年の夏頃から、
わたしの保健室登校が始まっていくのでした

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