保健室登校と登校拒否と不登校と高校中退をしたおはなし④ペルソナ(仮面)〜あなたは誰?〜

保健室登校と登校拒否と不登校と高校中退をしたおはなし①

保健室登校と登校拒否と不登校と高校中退をしたおはなし②

保健室登校と登校拒否と不登校と高校中退をしたおはなし③

の続きです

 

ひとから「叩かれる」ことを極度に恐れるようになったわたしは、
小学校4年生のあの出来事をきっかけにどんどん変化していきました

 

「目立たぬように、そしられぬように」

 

とにかく地味に大人しくしていよう・・・
どんどん自分らしさを押し殺していくようになりました
 
   

例えば

先頭を歩いていることに気づくと慌てて最後尾につく

積極的な挙手や立候補は避ける

といった具合に・・・

 

でもそうすればするほど、
抑圧された本来の自分が苦しくて暴れだす

  

中学生の頃には
完全に「ジキルとハイド」のごとく
外では「いい子」で家では「暴君」という
完全なる二重人格者のわたしが出来上がっていました

 

外でのストレスが溜まりに溜まって
家で当たり散らしているわたしは、
家族にしてみれば「凶器」のような扱いにくさ

 

それはそれはもうひどい荒れ様で・・・

弟と妹などはもうかわいそうなほど怯えきり、
わたしの顔色を見ながら生活していましたよ

(二人ともすまぬ・・・)

 

しかしその一方で

母親が保護者会に行けば
 
「いかにわたしがおしとやかで優等生か」

ということを先生から聞かされる

  

家で暴れているわたししか知らない母親は

「いったい誰の話を聞きにいったのか分からない」 

狐につままれたような表情でつぶやいていたのが忘れられません

 


 
 

わたしは自分を守るための手段として、
社会に向ける別の顔(ペルソナ)を
巧妙に作り出すことに成功した

 

それがいわゆる「いいこちゃん」の仮面

 

その仮面の下には
敏感で繊細で傷つきやすい、
無力な少女の素顔がありました

 

その無力な少女の潜在意識にあったものは

「本当の自分を見せたら嫌われる」

という小学校時代に強烈に抱いた強迫観念

 

だからせっかく仲良くなれそうなお友達が出来たとしても、
素顔の自分が漏れ出てきそうになると
 

「きっと本当のわたしを知ったら嫌になって離れていくに違いない。
だからそうなる前にわたしから離れよう」

 

孤独になりたくないあまりに
自ら孤独を選ぶ矛盾

 

とても寂しかったけれど、
でもまた叩かれ嫌われ除け者にされてしまうよりは
ずっとずっとましでした

 

本当のわたしを知られてはいけない
誰にも・・・

 

でもこの「優等生のいいこちゃん」の仮面は
苦しくて苦しくてたまらない
 
 

こんな毎日はもう嫌だ

リセットしたい
もう一度最初からやり直したい
 
  

そうだ、やり直そう!
高校進学はそのいいタイミングじゃないか
 
  

遠くの私立高校に通うから、
今のわたしを知るひとはほぼ誰もいない

 

新天地であたらしいわたしを生きよう!
また一から始めよう!

 

高校進学だけがわたしの希望の光のように思え
いつしかわたしの大きな心の支えとなった

 

そんな大きな期待を抱いて始まった高校生活が、
まさかまた苦しい葛藤の日々になろうとは・・・

 

そんなこととはつゆ知らず、
無邪気に新生活を夢見ていたのでありました

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