わたしに宿った命が天に還った・・・

 

今回の流産はわたしにとっては
久方ぶりに身を切られるような悲しい出来事だった

 

「俺の子を宿してくれてありがとう」

お腹に手を当て何度もそう言ってくれていた相方さん

 

わたしも彼の子をこの身体で育めることに
生まれてからは二人で育めることに
大きな喜びを感じていただけに

失われた時の悲しみは計り知れなかった・・・

 

お腹の大きなママさんたちがたくさんいる産婦人科で

 

「他の赤ちゃんは順調に育っているのに、
どうしてわたしたちの赤ちゃんはダメだったの？」

 

比較してもどうにもならないと知っていながらも
そんなことを思っては神様を恨みもした

泣いても泣いても涙は枯れることがなかった

 

こんなにも嗚咽を上げて幾日も幾日も泣き続けたのはいつぶりだろう？

 

「悲しみ」に完全に乗っ取られ
生きる気力を完全に失い
呆けた抜け殻のようなわたしがそこにはいた

 

「お腹の赤ちゃんと一緒に天に還りたい！」

 

我が子を失った

その事実はわたしを打ちのめすには十分すぎるほどの破壊力を持っていて

 

もうお腹の赤ちゃんと共に死んでしまいたい・・・

わたしの魂がわたしから抜け出しかかったその時、

 

「あやは俺のためには生きてくれないの？」

ハッと我に返ると、
そこには悲しそうな目でわたしを見る相方さんがいた

 

 

あぁ、そうだ・・・

このひとにとっては
わたしが辛そうにしているのが
一番辛く堪えることだった

 

「俺のために生きて」

戻ってこい！とわたしを呼び戻す魂の叫び声がハッキリと聞こえた

 

そしてわたしを抱きしめ一緒に涙を流してくれた愛娘

ひとことも話すことはなかったけど
彼女はただわたしに寄り添ってくれた

 

二人の大きな大きな愛に
わたしは息を吹き返した心地がした

 

わたしを必要としてくれているひとたちがいる・・・

まだわたしはここで生きなければ

 

いまは生きる理由は分からなくても
きっと知るべきタイミングで自ずと知る時が来るのだろう

 

 

愛ゆえに心を失い
愛ゆえに心を取り戻した

 

わたしを呼び戻してくれたもの

それは「真実の愛」だった